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さとうきびの原風景を守るかりゆし。
株式会社Rinnovation
「アップサイクルかりゆし」
アップサイクルかりゆしウェア
さとうきびの原風景を守るかりゆし。
株式会社Rinnovation
「アップサイクルかりゆし」
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概要
沖縄の基幹農作物であり、世界で最も多く生産されているさとうきび。製糖時に発生する搾りかすバガスは有効な活用法がない未利用資源のバガスをアップサイクルし、エシカルな独自素材を開発。その素材を活用し、環境負荷の少ない生産工程で生まれた、循環性、持続性のあるかりゆしウェアです。

会社名:株式会社Rinnovation

公式HP: https://bagasse-upcycle.com/home/kariyushi/

製品が生まれた背景について

この製品は、ピーク時の3分の1程度に生産が落ち込んでしまった沖縄の基幹作物であるサトウキビの原風景を残したいという想いからスタートしました。限られた資源の中で観光産業開発のしわ寄せとなった産業の1つの「農業」。その中でもサトウキビ産業は、重労働で低賃金なこともあり、ピーク時から生産量も農家の方の数も半分ほどになってしまいました。沖縄にとって大事なものは次の世代にも残したい、という思いから2018年に株式会社Rinnovationを立ち上げ、地域創生、沖縄のサトウキビ産業をよくするための事業に着手しました。

かりゆしの原料となるバガスは、サトウキビの絞りカスです。バガスはこれまで燃えにくいにも関わらずボイラーの中に投げ込んで処理されたり、一部肥料にされる程度にしか利用方法が確立されていませんでした。サトウキビは世界で一番CO2を吸収している作物ですが、燃やしてしまうとまたCO2が排出されてしまいます。カーボンニュートラルの観点ではそれでもいいのかもしれませんが、プラスアルファのことができればサトウキビ産業がさらに環境によい影響を与えられるのではないかと思いました。加えて、アパレル産業は大量生産・大量廃棄により環境負荷の大きい産業です。これを解決できればサトウキビ産業のブランディングにもなるという考えと、地域創生の想いから沖縄独自のウェアであるかりゆしを作ることに決めました。また、かりゆしは縫製業者さんが生きていくために大量に生産し、廃棄されるという背景もあったため、「必要な分だけ作って、着て欲しい」という考えがアップサイクルやシェアリングという仕組みを作る問題意識につながっています。

製品を提供することによるビジョンについて

資源が限られている中で作るだけ、売るだけではなく、循環させるということを答えから逆算していった結果、おのずと現在の仕組みが出来上がりました。製品寿命を延ばすためのシェアリングする・回収する・リペアするという方針や、炭にして土壌活性に活用する、という大枠は「作って売るだけではなく循環させる」という目的から実現したいことを考えた結果、出来上がったのです。各工程で環境負荷を減らす取り組みやよりいいものを作るためにまだまだ課題はありますが、これまでもやりたいことを描き、その想いに共感してくださる各社へ相談、連携することでイメージを実現してきました。みなさんが私たちのサトウキビへの思いや、可能性を感じてくれたからこそできたことだと思っています。水質汚染や労働環境など、アパレル業界の問題に対して、今は大丈夫だと思っていますが基準が高くなったときにクリアしているかは常に意識していきたいです。そのために他の企業様と連携共有しながらよりよいフェーズにいくことができれば理想的だなと思います。

ゼロウェイストに向けた取り組み

ー原材料について
サトウキビという環境への貢献度の高い農作物から出る副産物をアップサイクルすることに価値があると思っています。私たちは、1グラムでも多くのバガスをアップサイクルしたいという思いから、バガスの含有率を20〜30%まで突き詰めました。それにより、バガスに入っている成分による消臭効果といった付加価値も得られました。

ー生産プロセスについて
生産プロセスに関しては、大量生産・大量廃棄に追随しないよう、できる限りサプライチェーンを日本国内で開拓しています。もちろん他国の経済に貢献することは重要ですが、近くで作れるならそれに越したことはありません。例えば無理にアフリカから何かを仕入れようとすると、大量のものを遠くから運ばなくてはいけません。日本で生産するとロットが小さく工賃が割高になりますが、和紙の糸は日本でしか作れないですし、ジャパンデニムは高い技術力を持っています。こうした強みをサプライチェーンに組み込めば、マーケットは日本でなくても環境意識の高い欧米地域に訴求すれば、ビジネスとして成り立つと思っています。現在は日本で生産していますが、ゆくゆくはこの仕組みを他の地域でも展開できるならば、OEMで展開することも検討しています。例えば、東南アジアのタイやアフリカなどサトウキビ産業に紐づく地域に展開ができたらいいですね。

ー回収の仕組みについて
オーダーメイドやシェアリングサービス、最低額保証の買取サービスといった私たちが行っている回収の取り組みは、できる限り製品寿命を最長化するために行っています。加えて製造工程でどうしても出てしまう糸くずや端切れも回収し、廃棄するものと一緒に炭に変え、その炭をサトウキビ畑の土壌改良のために活用することにも取り組んでいます。回収についてはトレーサビリティの観点から洋服にNFCタグを取り付け、気軽にトレース情報を見られるようにし、環境に優しい取り組みの可視化を目指しました。アパレル業界のような製造コストが下がっている業界では、これまで服をトレースするインセンティブがありませんでした。アパレル業界の問題解決、サーキュラーエコノミーを活用しどのようにトレーサビリティをとっていくかということは時間をかけて現在もディスカッションを進めています。現在はプロダクトパスポートという形で、服1着1着のサプライチェーン情報や、アップサイクルをしてくれる方々の情報を蓄積し、それを可視化できるような取り組みを進めています。